卓球の世界ランキングの決め方

卓球に限らず、大抵のスポーツでは国際大会で活躍する選手の強さのバロメーターとして「世界ランキング」がありますね。ただランキングを決める基準はスポーツによって異なります。今回は卓球の世界ランキングの決め方を紹介したいと思います。

 

 

世界ランキングの決め方

ITTFにより指定された大会(プロツアー、世界選手権、ワールドカップ、オリンピックなど)で勝てばランキングポイントを得ることができ、その総合点の順位が世界ランキングになります。

 

ポイントの種類と増減の仕組み

ランキングポイントにはボーナスポイントとレーティングポイント、そしてペナルティポイントという3種類があり、これら3種のポイントを加算した結果がランキングポイントです。それぞれのポイントの意味合いは以下の通りです。

 

ボーナスポイント

大会の成績によって得られるポイントです。最低でもベスト128に入ればポイントを貰え、優勝すれば最大72ポイントがもらえます。ただしボーナスポイントには1年の有効期限あるので、期限を過ぎるとポイントは消えていきます。

 

レーティングポイント

試合をするたびに貰えるポイントのことです。勝てば増えるし、負ければ減ります。上位の選手に勝てばたくさんのポイントがもらえ、下位の選手にまければ大きくポイントが減ることになります。どの程度の増減になるのかは、相手とのレーティングポイントの差で決まります。

 

ペナルティポイント

試合に出ずに棄権をした場合、ペナルティとしてポイントが減点されます。ただしこの減点はずっとではなく、1年過ぎれば元に戻ります。

 

ようするに

 

レーティングポイント+ボーナスポイント-ペナルティポイント=ランキングポイント

 

となるわけですね。

 

レーティングポイントはランキングポイント全体の大部分を占めますが、これはあくまで過去の実績値であり、試合にエントリーしなくても減ることはありません。なので必ずしも現在の実力を反映しているとは限らないことは知っておいてください。

 

 

世界ランクに登録されるには

世界ランキングに登録されるための条件は、現在ランキングを持っている選手に4勝することです。そして勝利した中で最も高い選手のレーティングから10ポイント引いたレーティングが自分のレーティングとなります。このポイントをスターティングポイントといいます。

 

また4勝目からさかのぼって12ヶ月分の敗戦が、このスターティングポイントから減算されることになりますので、4勝するまでに、どのような選手と試合をするか、どれだけの試合をするかがその後のランキングに大きく影響することになります。

 

 

ちなみに大会にも格付けがあって、格付けの高い大会ほど得られるポイントは大きくなるよ。数ある大会の中でも最上位とされる大会がオリンピック・世界選手権・ワールドカップとなり、ランキングポイントを大きくあげるチャンスとなの。


 

 

ランキングを上げるには

とにかくたくさん試合に勝ってレーティングポイントとボーナスポイントを積み重ねていくことがランクを上げる必須条件となりますが、その為には多くの国際試合に出る「資金力」と「機会」が必要になります。

 

例えば国の支援が少ない、もしくは国外試合出場させることに積極的ではないとなればどう頑張ってもポイントを上げるのには限界がありますし、いくら強くてもその国で5番手、6番手の選手なら中々国際大会の出場機会を与えてもらえません。

 

これはつまりランキングだけでは選手の実力は測れないということを意味しています。

 

ランクで実力が読めない例

例えばリオオリンピック3位決定戦で、北朝鮮キム・ソンイ(当時WR50位)がはるか格上の福原愛(当時WR8位)を4-1の大差で下して銅メダルを獲得しています。実力的にはランク一桁といって申し分ないでしょう。

 

ただ詳しい事情はわかりませんが、北朝鮮は選手を国際試合にはあまり出さず、自国でトレーニングを積み育成する方針みたいです。だから実力的にはランク一桁レベルでも、なかなかランクは上がらないのが実情です。

 

そして中国に関しては、日本選手のほとんどがかなわない方博武楊が世界ランク10位以下の位置に甘んじています。

 

 

▼方博なんて世界選手権2015の決勝にまでいくレベル▼

 

 

何故かというと、競技人口が普通の国の何十倍もある中国は各国のエース級の選手がごろごろいるわけですが、国際大会の出場枠は1国につきオリンピックなら3人、世界選手権なら5人というように限りがあるので、出場機会を得ることができずランクが上がらないのです。

 

これが卓球に中国帰化選手が多い大きな理由です。活躍の場を求めて海外の国籍を取得するのです。

 

仮に出場枠の制限を撤廃したとしたら、ランク上位20位くらいは中国人選手で埋め尽くされると思いますよ(笑)

 

そのほかにもチェコ史上最も成功した卓球選手の1人といわれるピーター・コルベルは、国の金銭的サポートが少ない影響で実力に反して世界ランキングが上がりませんでした。たびたび中国選手を破る実力を持ちながら、世界ランキングは最高16位です。