卓球ロボットと人間の対決

飛んでくるボールを打ち返す卓球ロボットの開発はわりと昔から進められており、現在ではかなり高度なラリーが続けられるレベルまできているようです。この記事ではそんな卓球ロボットについての情報をまとめていきます。まだ情報が少ないですが新しい情報が入り次第更新予定です。

 

 

卓球ロボットの開発

90年台くらいからボールを自動で打ち出す機械は製造されていましたが、人間と打ち合いができる「卓球ロボット」となるととても実用レベルのものは実現されていませんでした。

 

しかし近年はコンピューターの進化に伴い初期段階では打ち返すことすらできなかったものがかなりのラリーが続けられるレベルのロボットが作られるようになっています。

 

コンピューターの進化により、卓球におけるラリーに必要な三次元位置計測や軌道予測が正確に行えるようになった結果です。

 

オムロンの卓球ロボット

積極的に卓球ロボの開発に取り組んでいるのは「オムロン」という電子部品や制御機器の開発を行っている会社。ロボットの映像が公開しているので見てみてください。

 

 

人が打った球をセンサで捉え、返球方法を計算しロボットを動かしているそうです。動画でのオムロンの説明をざっとまとめます。

 

  • 精度の高い回転速度推計とリアルタイム性の両立を実現し、高い精度でボールの軌道を予測する。
  • ロボットにボールが到達する瞬間の計算値と、実際の理想値との誤差はわずか数センチ程度しかない。
  • 人間がボールを打った瞬間から毎秒80回もの計算を始める。
  • マシン上部の2台のカメラがボールの三次元位置や速度を捉え、曲がり方や減速の度合いから回転速度を計測する。
  • ボールの空気抵抗やマグヌス効果を考慮した分析を瞬時に行う。
  • オムロン独自の予測モデルを用いて膨大なデータ処理を即座に行いながらボールを予測
  • プレイする人間をアシストしやる気や能力を高める役割もある。
  • プレイヤーが打ったボールの軌道記憶しプレイヤーの打ちやすい位置を考えている。
  • 軌道予測に基づき、自分にとってもっとも打ちやすいポイントを考え、そこにおけるボールの速度・回転速度・回転方向まで推計する。
  • その推計結果からラケットの角度やラケットの通過ポイント・タイミングを決定し、5つの軸を持つモーターの動作を制御し、モーターが忠実にそれを実行する。
  • 自分が打ち返す場所を卓球台の盤面に表示しプレイヤーの次の動きのサポートも行える。

 

このロボットの軌道予測・動作計算・制御といった能力の統合的な実現は、人手不足の労働現場などでのロボットの活躍に活かすことが期待されているようです。

 

日本も少子高齢化で将来の人手不足が懸念されていますが、このようなロボットの改良が進み一般に普及するようになれば問題解消に貢献してくれるかもしれませんね。

 

 

ティモボルvsKUKA

KUKAというのはドイツが開発している産業ロボットです。これに卓球ラケットを持たせて、トップランカーのボルと対決させようという試み・・・。ただ残念ながらこれはあくまで宣伝用に作成したCM映像だそうです。卓球アームのアクションは実際にプログラムで制御されたものですが、ラリーの応酬は演出された映像です。

 

 

ただ近年の人工知能の進化速度を見ていると、そのうち世界チャンピオンを打ち負かすような卓球ロボットが現れるのは遠くない未来のように思えます。